こちらも9月の終わり。

『麺や 青雲志』でございます。
この日は、mixiの青雲志コミュで、裏限定メニュがあると知り、矢も盾もたまらず、夫を連れ出してやって参りました。


それがこの、『特製揚げ出汁正油らぁ麺』。
※既に販売終了していますので、ご了承下さいませ
いきなり見た目からして異相。
全然らぁ麺に見えません。
でも、めっちゃ良い香りがしています。
何というか、煮物と蕎麦出汁の中間的な香りというか。
丼の後ろ正面には、野瀬商店の肉厚のお揚げさんが鎮座しています。


らぁ麺の具に、里芋って。
初めて見ました。
でも、この里芋、炊き具合も良く、表面から3mmくらいまで味が染みていて、絶妙な味加減。
醤油は伊賀の『はさめず醤油』。
化調で添加してあるのですが、一度使うとクセになる味わいなのです。


大なめこや舞茸やシメジなどのキノコ群。
天かすや鰹節が絡まって、良い感じです。


そして切り干し大根や蕨などが甘辛く炊かれていて。
他にもスープにお揚げさんの細切りが入っていたり・・・と、随所に工夫の跡が。
『揚げ出し豆腐』をイメージして作ったというこのらぁ麺。
汁も結構甘辛く、だからこそストレートな平打ち麺とよく合います。
・・・なんですが、食べているうちに、
「私は今いったい、何を食べているんだっけ」
と思う瞬間がありました。
間違いなく美味しいのですが、これが何というジャンルの、なんという料理なのかわからなくなるんですね。
このらぁ麺を一口すすった瞬間、『澪つくし』の小松原様なら間違いなく、
「面白い」
と言うでしょう。
M子もそう思いました。
どんなきっかけでこのらぁ麺を作ろうと思い、どういう試行錯誤の末、このスープと具に行き着いたのか・・・。
「美味しい」と感じさせるだけでなく、そこに至る経緯にまで思いを馳せさせるというのは、今までいかにヒットさんが、一品一品を完成させるために神経を注ぎ込んできたかを、食べる側が理解しているということだと思います。
つまり、店主と常連さんの信頼関係ができているからこそ、出せる一品だと思ったのです。
この『特製揚げ出汁正油らぁ麺』は、確かに美味しいです。
でも、一見さんがいきなり注文して、これが出てきたら?
もしかしたら怒っちゃうかもしれませんよね。
あまりにも『ラーメン』の概念から外れているために。
でも、ここの常連さんは、その「概念から外れた味」を楽しむことができる人たちなんです。
だからこその、超裏メニュだったわけで。
今回は『特製揚げ出汁正油らぁ麺』の味にも思いを馳せ、ヒットさんと常連さんの『信頼』についても考えさせられました。
一品で、ここまで考えさせられたのは初めてかもしれません。
ご馳走様でした[#IMAGE|S58#][#IMAGE|S58#]
麺や 青雲志
※前回の訪問記へ
住所 松阪市嬉野権現町神北405-14
TEL 非公開
営業時間 11:00~14:30
定休日 月・火曜日


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