母が来ています。
M子の住まいが奈良県からほど近いと知った、今回の彼奴の目的は、

奈良県の「室生寺」です。


室生寺といえば「石楠花(しゃくなげ)」です。
今が盛りの見頃です。
敷地内には一万本の石楠花が咲き乱れており、あたかも常世の国のよう。
そして心臓破りの千段階段を上った私と姉も、危うく常世の国へ旅立ちそうになりました。
ふらふらになった私たちが向かったのは、


室生寺のまん前にある「橋本屋旅館」です。
旅館ではありますが、昼食のみの利用も可能。
中は純和風なつくりに赤い絨毯が敷かれており、何となく「おばあちゃんのお家」を訪れた気分になります。
落ち着きます。


山菜定食「あじさい」2150円です。
煮合わせ、田楽、白和え、辛し和え、しめじの酢の物、山芋のすりおろし、とろろ汁です。
山菜ばかりじゃ腹にたまらないじゃん。
などと思う方もいらっゃるでしょうが、全然そのようなことはございません。
茄子の田楽の油気でこってり感を満足させ、その他の献立で、山菜の鄙びた味を楽しむことができます。
しかも見た目よりも意外に量が多く、満腹になること請け合いです。


このとろろ汁が絶品でした。
深い味わいの出汁に、とろろのぽってりが絡み合い、熱々かつホッとする味です。
胃の腑があたたまります。
10年前だったら、絶対に選ばない食事です。
しかし、今のM子には、果てしなく魅力的に見え、かつ美味しいです。
年を取ったからなのでしょうか。
それとも、とうに失われた、「かつての家の味」を求める郷愁でしょうか。
ご馳走様でした。[#IMAGE|S58#]
橋本屋旅館
住所 奈良県宇陀市室生区室生800
TEL 0745-93-2056
営業時間 10:00~16:00(食事のみ)